勝負を分けたトランジションの質 2018/03/03 vs鹿島@カシマ

お疲れ様です。早速ですが、この試合も先週とは違い、お仕事でライブタイムで観戦できず、試合当日にNHKで放送されていた映像で試合を確認させていただきました。

対戦相手の鹿島アントラーズは言わずもがな、昨年2位の優勝争いに確実に絡んでくるチームですが、来週のACLに向けてレオシルバなど一部の主力選手はお休みという状況。戦い方についてはいつも通りの4-4-2からオーソドックスな戦い方をするチーム。

さて、先週の試合で、攻撃の形を作りつつも名古屋に負けてしまったことで、アウェイとはいえ確実に勝ち点を手にしたいガンバ。先週の課題は、3失点してしまった守備の修正、ボールポゼッションの時間を増やすといったところ。そんな課題を修正できたかを確認しながら、試合を振り返る。

結論から言うと、守備の修正は三浦・ファビオでベースを固めつつ、ボランチに入った市丸、矢島が走り回り、遠藤が適切なポジショニングで危機察知をすることで、1失点に抑えることができた。ボールポゼッションについては、鹿島がそもそもボールポゼッションにこだわらなかったことにより、ある程度ガンバがボールを握る時間帯が増えるという形に。課題については対戦相手の違いなどから改善もしくは変化あり。

攻撃の形について気が付いたこと。
前半序盤、ガンバはい裏抜けを狙っていく前節から狙っている形でのボール前進、例えば、三浦とファビオが右サイドのオープンスペースにボールを蹴り、ウィジョがボールを保持する間に右SBの米倉が駆け上がる懐かしのパトリックパターンをやりながら前に進むなど、右サイドからの攻撃を繰り出したり、前半5分にはそんな形から倉田のシュートも生まれた。コーナーキックの数が鹿島を上回ったのは、サイドの奥深くまでボールを運ぶことができていた証左だと思います。この形はサイドにウィジョや倉田がいるときは効きそう。
この試合のガンバにとっての最大のチャンスは後半20分の中村敬斗のシュート。三浦弦太インターセプトから始まった一連のビルドアップはとても美しく、この形がドバドバ出てきたら最高。シュート数は名古屋戦より減ったのは課題。鹿島の守備をもっと崩してシュートまで運べるように構築をしていければ本当の攻撃力復活。

守備について気が付いたこと。
センターバックの三浦・ファビオは全体的に安定していたけれども、その他の選手の位置関係からか、本来いるべきポジションからつり出されるシーンがたくさんあった。10分くらいの鹿島のシュートチャンスについていえば、三浦・ファビオが二人とも吊りだされるという大変危険な形を作っており、まだまだ守備については形が構築できていないことがうかがえる。

 

試合を左右した「トランジション

 

ガンバはこの試合に負けた。鹿島と何が違ったかを考えると「トランジション」の時のプレーの正確性に帰結しそう。サッカーには4つの局面があるといわれる。
① ボールを保持し攻撃をしているとき」
② 「①の状態からボールを奪われた瞬間からの短い時間(攻撃から守備のトランジション)」
③ 「ボールを保持され守備をしているとき」
④ 「③の状態からボール奪い、②の攻撃の時間に転じる短い時間(守備から攻撃のトランジション
このうち、3/3の鹿島戦のガンバは④の守備の状態から攻撃に転じる短い時間のプレーの質が低く、意思疎通もできていなかった。失点シーンにつながったファビオから藤春へのパスミスのシーンも④の局面で起こった現象である。あの瞬間は、ボールを保持したファビオが攻撃に転じるための選択として藤春がボールを受けるべきポジションへ送ったパスに対し、藤春はファビオの意図と反し攻撃に転じるための準備の動き(パスをもらう動き)をしていなかった。チームコンセプトは後ろからしっかりとボールをつないでゴールまでボールを運ぶことだ。チームコンセプトの上ではファビオのプレー選択が正しく、藤春の行動はチームコンセプトに反していた。失点に直結したこのシーン以外にも攻撃に転じる最初の段階のプレーでのミスが多く、ビルドアップの失敗(ボールロスト)が自陣後方、守るゴールの近くでいくつか発生していた。一方で鹿島は、攻撃に転じるのがスムーズだったと思う。ボールを奪えばシンプルに確実に早い攻撃にもっていく。この差がこの試合の結果につながった。なので、ガンバの次の課題は②④をスムーズにすることだけど、その前に①と③もまだまだ完成度が低いので、どちらから手を付けていくのかは来週以降見ていこうかなと思う。

気になった選手たち。
東口:前節で1対1の対応からの失点をしたが、その点についてしっかりと修正。
米倉:久しぶりの試合出場でもチームコンセプトに合わせた好プレーが多かった
市丸:守備から攻撃のトランジションでのミスもあったが決定機になりそうなパス多数。
遠藤:一番危険なところにいてくれるありがたい大先生。偉大。
長沢:背負うポストプレーは不安定ながら、ワンタッチプレーは適切なポジショニング故に安定、中村敬斗のビッグチャンスは彼の特徴そのもの。交代後の攻撃停滞もかれの存在の重要性を感じた
中村:あのシュートを決めればスターだった。1トップでのプレーは不安定。

課題はまだまだあるけれど、期待を持てる試合内容だった。2014年の序盤に感じたあともう一歩で強くなれるぞっていうじれったさを感じられるのは幸せなことだ。水曜日のルヴァン杯はスタジアムに行く予定。お仕事をうまく終わらせるように勤め上げるのが水曜日までの私の課題である。

 参考になりそうな記事

 

 

www.jleague.jp

 

 

www.football-lab.jp

 

www.bbm-japan.com/_ct/17151295

www.bbm-japan.com