ガンバ大阪に対して抱いているままならない感覚 / 2018/05/12 vs横浜FM

お疲れ様です。

ゴールデンウイーク期間中、私事がございまして、ブログの記録残しがおろそかになっておりました。ここから仕切り直してやっていこうと思います。

ブログの更新はしていなかったものの、試合はしっかりと追いかけていました。ゴールデンウイーク中のガンバはホームでは、なんだかよくわからないけど勝てるものの、アウェイでは術無くして敗戦という試合が続いている。勝ったり負けたりを繰り返しながら、チームが安定していけばと期待していたが、このアウェイ横浜Fマリノス戦で、いろんな期待もやめてしまおうかと思ってしまった。

今のガンバ大阪トップチームを見てて感じるのは、個の力と偶然に攻撃も守備も依存していることだ。

守備の時は各選手の判断でいるべきだろうところにいるだけ。クリティカルなところに侵入された時は遠藤保仁の先読みを活かした位置取りでのボール回収、マテウスのフィジカル、三浦、ファビオの潜在的な能力、藤春廣輝のスピード、オジェソクの獅子奮迅の働きでなんとか凌ぎ、シュートは東口順昭林瑞輝がなんとかストップする状態。

チームとして、相手チームをガンバが作る網に誘い込んだり、ビルドアップを封殺するためにプレスを仕掛けることもない。ただ、偶然に身をまかせるしかない。頼れるものは個の力。

攻撃も、選手がボールを持ったときに2~3回ボールを触って、やっと次の選択肢が見えてくる。ボールを持った瞬間に2~3の選択肢がある攻撃を仕込まれているチームが常識になりつつある現代サッカーの潮流から大きく逸脱している。とはいえ、ドリブルで運べる選手や、瞬間のコンビネーションで局面を打開することがなんとかできていたり、ファンウィジョのシュートスキルに救われてなんとか勝ち点を稼いでいる。攻撃の面でも頼れるものは個の力。

チームがトレーニングの中でプレーの原則を与えられない現状を憂い、日本人のコーチングスタッフは練習後に補完的にアドバイスを送り続けているという。昨年、宮本恒靖山口智が作ったU23チームと同じシステムだった横浜FM戦のトップチームは全くの別物。アグレッシブに個の力の弱さを補うべく勇敢に組織を作りチームで立ち向かった昨年のU23チーム。一方で、ただスタメンと配置だけを指示されピッチに送り出された横浜FM戦のトップチームは、90分間ひたすら横浜FMに為す術なき戦いを強いられた。高い技術からもたらされたロングシュートでしかゴールを割れず、カウンターの選択肢もなく、ただひたすらサンドバックのように横浜FMの攻撃を受け続ける姿は見るに耐えなかった。辛かった。

 

ペップ・グアルディオラは『ゴール前最後の30mはアタッカーがクオリティと創造性を発揮して解決すべき舞台だ、監督にできることはそこにクリーンにボールを送り込むことだ』とコメントしつつ、その一方で、1人のアタッカーに依存せず複数のソリューションを選手に与えているそうだ。

たしかに、スペシャルな個の力はゲームを決める。特にペナルティエリア内でのプレーの質は試合の結果に直結する。であれば、いかにしてペナルティエリアに筋道を立て侵入する回数を増やして行くか。また、ペナルティエリアに相手の攻撃選手を侵入させないように論理的に組み立てることがサッカーの戦術だと思う。この3ヶ月間でガンバ大阪トップチームはこの点において論理的な進歩を果たしたか。私はしていないと思う。バランスを作るとクルピは言うけど、バランスを作るための論理がいまだに見えてこない。個の力、偶然、カオスの中からの幸運に身を任せた中で、未来は切り拓けないだろう。

 

この横浜FM戦のトップチームの戦い方が、トップチーム、U23、ユース、Jr.ユース、ジュニア、スクールと続くガンバ大阪が目指している形なのだろうか。20年近く北摂に住んだり、ガンバ大阪を応援してきた中での私の印象では真逆だと思う。

ボールスキルをベースに、ボールを握り、相手ゴールに何度も何度も攻め立て、ボールを奪われたらすぐに奪い返しに行く姿こそ、ガンバ大阪に関わる人たちにとってのガンバ大阪のあるべき姿であり、目指し続けているものだと思う。そこから離れたことをするトップチームの監督を私は許していけないと思う。

ガンバ大阪は、宮本恒靖稲本潤一橋本英郎二川孝広新井場徹などを育成し早い段階でアカデミー出身選手をベースにしたチーム構築に成功したクラブだ。ガンバ大阪は大きなスポンサーの支えはあったが、行政に頼らずスタジアム建設の実現に漕ぎ着けたクラブだ。間違いなく、Jリーグの優等生的なクラブだったはずだ。それがどうしてこうなってしまったんだろう。今のガンバ大阪は見ている人たちに喜びや未来への希望を応援してくれている人たちに届けられているのだろうか。まずそこから見直してほしい。