いつも通りの高江麗央がそこにいた / 2018/04/21 vsC大阪

お疲れ様です。

先週末のリーグ戦、長崎にアウェイで敗れたことで、クルピ監督の解任デスマッチを兼ねてそうな大阪ダービーを迎えたガンバ大阪

ゲームの内容も良かったり悪かったりと安定せず、クルピ監督も戦術的に形をハッキリさせて来ないため、クルピ監督への信用が落ちており、とても不安な状態である。

長崎戦からの大きな変化は遠藤保仁をトップ下に配置し、ボランチに高江麗央を起用したこと、そして怪我から復帰した藤春廣輝の先発出場。

開始早々、守備のバランスを失い、セレッソにシュートを放たれたところから試合ははじまります。人は揃っているけど、本来いるべき選手とは別の選手がいる状態。山口智コーチとディフェンスの選手が行ったミーティングとは何だったんだろうといきなり不安になる立ち上がり。
しかし、試合が進むにつれて、守備を安定させるための策が見えてきた。

おそらく、長崎戦の後で行った守備の対策は、サイドバックの位置取りを今までより下げることだったと思う。これまでは、前から奪う意識が強く、2-4-4のような形で守るため、CBの三浦弦太とファビオがサイドにできたスペースをカバーしないといけないという現象が度々発生していたが、この試合ではそういうシーンがグッと減った。
そして、もしCBがサイドのフォローに回った時にそのポジションを埋める役割を果たしてたのがボランチに入った高江麗央だった。

この試合のMOMを選べと問われれば、私は高江麗央を選ぶ。守備面では適切な位置取りを軸に、ボール回収に貢献し、的確にボールを散らす。また、カウンターに転じた時の守備から攻撃のトランジションも瞬間的に行い、左サイドのタッチライン際までスプリントしボールの収まり所を作って、攻撃の時間作りもしていた。

高江麗央がボランチのポジションを始めたのは3月のJ3リーグから。昨年からU23でプレーする彼を見ていて高江麗央は大外のレーンで生きる選手だと思ってたので、高江麗央のボランチ起用には驚いた。しかし、J3開幕試合で高江麗央と高宇洋が見せた適切なプレーの数々は本当に素晴らしく、それからの数試合『ヤンレオ』を軸にしたU23チームのホームゲームは観ていて『うんうん。そうそう。それだそれだ!!』という納得のプレーの連続だった。今、U23チームが実践している適切な位置取りをベースにした攻守に連動したサッカーの軸になっていたのは間違いなく、ヤン(高宇洋)とレオ(高江麗央)だった。

大阪ダービーで高江麗央がやっていたプレーは、彼がU23でやっていたことをそのままだった。前述した、SBの上がっていたところの穴埋めやCBのカバー、適切な位置取りを軸にした無理のないボール回収、大きなチェンジサイドや細かいパスでの展開、カウンターに転じた時の適切なランニング。全部、いつも通りの高江麗央だった。いつも通りの高江麗央がどういうことかというと、前半37分頃からPK獲得までの過程にいつも通りの高江麗央が凝縮されているので、DAZNで確認できる方は是非ご確認を。

細かく動いて、セレッソの攻撃を遅らせる守備での駆け引き、ヤットがダイレクトでパス出せるように菱形を作って受けて逆サイドへの展開、奪われた後の素早い攻守の切り替えからのボール奪取と倉田にパスしてそのままペナルティエリアへの走り込みという流れです。

とはいえ、高江麗央がこの試合ノーミスだったわけじゃなく、倉田秋藤春廣輝との意思疎通がうまくいかなったこともあった(どちらかというと、倉田秋藤春廣輝が高江麗央の意図を理解するべきなのだが)し、一対一でやられるシーンもあった。しかし、プロ2年目、ボランチにチャレンジして2ヶ月目の若手選手のJ1デビューとしては最高なプレーだった。伸びしろがまだまだあるんだと考えただけでワクワクしてきた。

クルピ監督のガンバ大阪大阪ダービーに勝った。試合終了後のクルピ監督を中心とした歓喜の輪には、クルピ監督への選手たちの信頼も見えた。チームがバラバラになっていないことも分かった。
しかし、まだガンバ大阪のトップチームが2018シーズンのJ1リーグを安定して戦うためのチームとしての土台はまだまだ作っている途中だというのは、大阪ダービーからも感じ取れる。今回の勝利も高江麗央の起用というキャスティングの効果で得た勝利という側面も強く、チームとしての連携や戦術で勝ち取ったとは到底言えない。クルピ監督、宮本恒靖コーチ、山口智コーチで早期にチームの安定化を図り、誰が出ても安心できるチーム作りをして欲しい。しばらくは勝ったり負けたりを繰り返すだろうけど、とにかく早く残留のために必要な勝ち点を積み上げていきたい。そんなワールドカップ中断までの残り4週間が始まった。

G大阪vsC大阪のマッチレポート・動画(明治安田生命J1リーグ:2018年4月21日):Jリーグ.jp

ガンバ大阪 2018マッチレポート | 4月21日 vs C大阪 | データによってサッカーはもっと輝く | Football LAB

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